平成15年10月10日(金)

月に一度、私の店で、ミニトマトの勉強会を開いています。5〜6人のお母さん方が親業の勉強をするために来られています。毎回、先生のお話を聞いていると、「こうすればいいんだ」「私には、ここが母親として自分の足りなかったところだった」と気付くことが出来ます。そしてもっと沢山の方に聴かせてあげたいといつも思っています。今月は、10月10日にありました。

あるお母さんが、「いつも片付いている玄関が今日に限って、散らかっていて、ちょうどそのときお客様が来られたそうです。すぐ帰られたけど、自分はすごく恥をかいたという思いになり、玄関を散らかした子ども達を呼んで、「玄関は家の顔じゃけえ散らかしたらいけん」と言って、しかったそうです。他のところは気にならないのに、玄関が、散らかっていたら、どうしても許すことが出来ず、怒りがこみ上げてきたそうです。この怒りを抑えることが出来なかったのは、なぜだったんだろうと、後で考えてみると、自分も小さい時から、来客が多かった実家の母から、同じことをよく言われていたので、玄関だけは綺麗にしないと気がすまなかった」と、話をされていました。

あるお母さんは、「うちは、子どもが4人もいるから、ひどいものよ。」
あるお母さんは、「自分が気持ちよく玄関を使いたいから、きれいにしたい。」と
人によって、考え方が全然違います。「玄関は、綺麗じゃないといけない」と言うことは決まっていないのです。「玄関は綺麗じゃなくてもかまわない」と言う考え方もあっていいのです。

怒りと言うのは、自分の思っていることを、他人が自分の思い通りにしなかったときに起こりやすいのです。そんなときは、怒りに任せて相手をしかるのではなく。「なぜ、私は今腹を立てているのか」「なぜ、私はそうしたいのか」「なぜ、思い通りにならなかったのか」と、自分が怒っている理由を自分に尋ねてみてください。
原因がわかれば、それに対する対処の仕方がおのずと見えてくるものです。このお母さんは、小さい時からそのようにしつけられたため、自分は玄関が綺麗じゃないと気がすまなかった。これはどうしてもゆずれない。では、そのためにはどうすればいいか。
子ども達にお母さんが玄関をきれいにしたい理由を言って、これからは、散らかさないように子ども達にお願いをするしかないのです。
これはあくまでも、お母さんの思いなので、子ども達がこの先ずーっと約束を守るかどうかは分かりません。だから、また玄関が散らかっていたら、そのときは「しかる」のではなく、再びお願いをする。
自分の考えを他人にもしてもらおうと思うと、相手に自分の気持ちを理解してもらえるように話しをして、お願いするしか方法はないのです。
子ども達にとっては、今は自分の考えではないが、いつかそれが、身について、玄関は綺麗なほうが気持ちがいいと思うようになったら、人に言われなくても、自分から綺麗にするようになると思います。


これは、ひとつの例ですが、このような日常は、誰にでも起こっていると思います。
イライラしたり、腹を立てている人がいたら、なぜ、自分はこんなにいらついているんだろうと自分自身に尋ねてみてください。
「〜でなければいけない」と言う考えを捨て、「まっいいか。」と、良い意味でのいいかげんさも身につけると生きていくのがとても楽になりますよ。