子どもは厳しく躾ないといけない、とよく言われますが、躾ってなんでしょうか。
子どもに躾を教えている親は正しい躾を身に付けているのでしょうか。躾と常識は、人によって異なると思うんです。ただ、親は自分の思いを子どもに伝えているだけだと思うんです。
その伝え方が、力で押さえつけ、自分の思っているように、子どもを動かそうとしているように思えてなりません。

自分の思いを伝えるのは,、子どもを叱っても、殴っても、子どもには正しく伝わりません。
正しく自分の思い、考えを子どもに伝えたかったら、子どもにわかるような言葉で、目を見て、話しをしなければ、伝わらないと思います。

特に思春期の子どもに対しては、今子どもが何を思っているか、それを行動に出した時、どんな理由があったのか、子どもの気持ちを先に聴くこと、そのときの大人の態度は、上から見下ろすのではなく、本当に、子どもの気持ちを理解したいと言う態度で、聴いてやる事が大切だと思うんです。

子どもが、自分の悩みを誰かに話そうと思う時は、相談する相手が決して自分を責めず、自分の事を理解してくれる人かどうか見抜いています。そして、その人に話をしたことにより「その時の自分の気持ちに子ども自身が気付く事が出来、子どもが自ら解決策を考えるようになる」これが、自立すると言う事だと教わりました。その時の誰かが、親だったら、今以上の信頼感がわくと思います。

そして、今までの、失敗した事、成功した事など、自分の体験談を子どもに聞かせてやることにより、子どもは、それを参考にしながら、自分の進む道を自分で決めていくでしょう。
子どもにとっては、自分で決めなければいけないし、責任も自分で取らなければいけない。それは甘やかしよりもっと厳しい事だと思います。

私は、先生が、中学生と話をしているところに、ちょうど居合わせました。先生がその子の気持ちを本当に理解できると言う思いが、私にも伝わってきました。当然、その子にも、伝わったと思います。そして、先生は、続けてその子「こうすれば、こんな事が起きる、反対にこうすれば、こんな事も起きる、それを選ぶのはあなたよ。そして、あなたが選んだ道で、自分には不都合な事が起きたとしても、あなたがそれを選んだのだから、最後まで、責任を取らないといけないのよ」と話をされていました。その子は「うん」と言ってうなずいたのです。

この時、2人の会話を聞きながら、「子どもに、親としてこのようなの接し方が出来るようになるために、そして、ハラハラしながらも、どこまでも子どもを信じきる親になれるために」今まで何年も勉強してきたんだなと感じました。

私は、自分の子どもに、こんな話し方をしていただろうか、いつも「私は大人だから、わたしの言う事は、あなた達より正しい」と言う思いで、頭ごなしに「聴きなさい」といった態度で話していたように思います。それでは、いつまでたっても、子どもは自立なんかしないですよね。
それと同時に、どんなことがあっても、子どもの事を信じ、最後まで、親として子どもを見守ってやらないといけないんだと強く感じました。