サークルを開いて初めの3年間は夜の公民館での集まりとは別に、昼間週1回、我が家でも集まって勉強会を開いていました。私にとってはとても勉強になったし、先生に助けてもらったといっても過言ではないくらい、なくてはならない時間でした

 今でもそうですが、我が家は笑顔の絶えない家庭です。私はとても誇りに思っていました。4年前、双子の長男、次男が中1の3学期頃からタバコを吸ったり、髪を染めたりと少し生活が乱れてきたのです。何回か学校から呼び出しを受けた事もあります。

ある人は、「池本さんは口ではええ事ばっかり言っていても、自分の子どもはええ子じゃないが」、またある人は「子どもが皆に迷惑をかけとるんじゃけえ、皆に申し訳ないという気持ちをもたんといけんじゃろ」等、まだまだ一杯いろんな人にけなされたり、叱られたりしました。

我が子が皆に迷惑をかけているのだから仕方ないけれど、外見だけで我が子を判断して欲しくない。「私の子ども達はみんなとてもいい子なんよ」と声を大にしてみんなに言いたい。でも私の気持ちや子どもの気持ちを分かってくれる人はあまりいませんでした。

この切ない気持ちを分かってくれたのが先生でした。もし先生に出会っていなかったら、私は子ども達に「あんたらのせいでお母さんが恥をかいた」と子ども達を責めていたと思います。

今その当時を振り返ってみると、私にとって子どものとった行動より、学校の先生や保護者が私を見る目の方が気になっていたような気がします。

 毎週先生が来られるたびに私の気持ちを聴いてもらい、子ども達に対する言葉かけを教えてもらいました。私はこのサークルを通して、どんな事があっても、子どもを信じる事が出来る親になる事、世間から見た幸せそうな家庭ではなく、自分が本当に幸せだと思えるような家庭を作る事、躾、常識というものは人によって異なるものです。
それを自分の考えが正しいと思い込み、子どもに自分の考えを押し付けるのではなく、決定権を子どもに持たせる事など、まだまだ書ききれないくらい沢山の事を学びました。

 「親」という肩書きをはずすと、とても楽になりますよ。そして、子どもに対して、1人の人格の異なる人間として、接する事が出来るようになります。

 現在、大学1年の長女、高2の長男・次男、中3の三男と皆個性的な子ども達ばかりです。どの子も、自分の気持ちを隠さず、私に話してくれます(全部ではありませんが)。私も自分の思っている事を子ども達に話します(私は全てです)。

我が家はけんかすることなく、会話が成立するのです。だからお互いどんな事を考え、どんな事を望んでいるのかがよく分かります。今からまだまだいろんなことがあると思いますが、私は子ども達を信じて、見守って行きたいと思っています。

 我が家を通して、親業とは、子育ての勉強であると同時に、自分育ての勉強でもあるんだなと強く実感しています。ミニトマトが大きなトマトとなって、家族皆が幸せを感じながら生活できる家庭が増えていく事を期待します。