成12年10月9日(月) 神辺公民館にて

叱らない・ほめない育て方の目的は、子ども自身で、望ましいことと、望ましくないことがわかり、望ましい事をして生きる人間になることです。

誉められたり、叱られたりした時、子どもは、何を感じるのでしょう。
・親が誉めてくれる事をしよう。
・叱られる事ことは、やめよう。

・誉められたいからしよう。
・叱られたくないからやめよう。

・誉めてもらえなければやりたくない。
・叱られないならやろう。
これは、全て自分の外に基準(ものさし)が有ります。
そして、誉められない自分、叱られる自分、間違った事をする自分は、ダメ人間だと思うものです。

子どもの中に基準(ものさし)が持てるようにするには、
誉めるかわりに
うれしいよ。たすかったよ。ありがとう。自分でも気持ちがいいでしょ。嬉しいでしょ。人の役に立てたと思うでしょ。

叱るかわりに
困るよ。つらいよ。悲しいよ。自分でどんな気持ちになるかな。相手の人は、どんな気持ちになるかな。こうしてもらうと嬉しい。こうしてもらうと助かる。
これは、人の役に立てた時、人から受け入れられて幸せだ。自分は人の役に立てる人間だ。と思うものです。
 このような積み重ねで、子どもは自分で悪い事と、良い事を判断出来るようになるのです。

親としては、
・大人が邪魔をしなければ、子どもは自分で決める力を持っていると信じるのです。
・親に本音を出せる親子関係を作っておく。
・カッコの悪い我が子を受け入れられるようにする。
・子どもの言葉を聞く態度や、聞く事が必要。
・子どもがわかるような言葉で、子どもに話をする。
そうすると、子どもの心は落ち着き、人の話も聞けるようになります。


勇気づけ(エンカレッジメント)
勇気付けるメッセージ 勇気をくじくメッセージ
貢献や協力に注目する
 あなたのおかげでとても助かった。
 あなたが嬉しそうなので、私まで嬉しい。 
勝敗や能力に注目する
 あなたはほんとうに有能だ。
 えらい、よくやった。
過程を重視する
 努力したんだね。
 失敗したけれど、一生懸命やったんだね。
成果を重視する
 良い成績だ。私は満足だ。
 いくら頑張ったって、結果がこれではね。
すでに達成できている成果を指摘する
 この部分はとてもいいと思う。
 ずいぶん進歩したように思う。
なお達成できない部分を指摘する
 全体としてはいいが、ここがだめだな。
 ここはもう少し工夫するといい。
失敗を受け入れる
 残念そうだね。努力したのにね。
 この次はどうすればいいだろうか。
成功だけを評価する
 失敗してはなにもならない。
 いったいなぜ失敗したんだ。
個人の成長を重視する
 この前よりもずいぶん上手になったね。
 1度くらい後戻りしてもいいじゃないか。
他者との比較を重視する
 あの人よりもあなたの方が上手だ。
 あの人に負けていてどうするんだ。
相手に判断をゆだねる
 あなたどう思う?
 一番いいと思うようにすればいい。
こちらが善悪良否を判断する
 それよくない、こうしたほうがいい。
 ここはよくできた。しかしここはだめだ。
肯定的な表現を使う
 気が小さいんじゃなくて、慎重なんだろう。
 謙虚に反省しているんだね。
否定的な表現を使う
 気が小さいね。もっと気を大きく持って。
 メソメソするんじゃない。
「私メッセージ」を使う
 (私は)そのやり方は好きだ。
 (私は)そのやり方をやめてほしい。
「あなたメッセージ」を使う
 (あなたの)そのやり方はいい。
 (あなたの)そのやり方をやめなさい。
「意見ことば」を使う
 あなたは正しいと思う。
 あなたの意見に私は賛成できない。
「事実ことば」を使う
 あなたは正しい。 
 あなたの意見は間違っている。
感謝し共感する
 協力してくれてありがとう
 やる気があるので嬉しい。
賞賛し叱咤激励する
 良く働いてえらいね。
 もっとがんばるんだよ。

 親業を学び始めた頃、子ども達に「お母さんは、あなた達がいるからとても幸せよ」ということをどうしても伝えたくて、クリスマスの日にクリスマスプレゼントと一緒に手紙を添えて子ども達の枕もとに置きました。
長女には小5の時から風呂掃除をしてくれて私がとても助かっている事、長男、次男には中学2年の2学期から今までになく勉強をしていた事、三男には、友達思いのたくましい子になった事を書きました。そして、みんなに兄弟とても仲良しなので、お母さんはとても嬉しいと言う事、最後の締めくくりに、「これからも頑張ってね」と書こうと思ったのですが、この言葉を書くと、今まで私が書いた文章が、「これからも良い子じゃないと、お母さんはあなた達を嫌いになるよ」「これからも良い子でいなさい」と言っているような気がして、「お母さんはあなた達がいるから幸せだ」と言う本当の私の気持ちが子ども達に伝わらないような気がしたのです。私は最後の言葉として「身体に気をつけてね」と書きました。
それ以降、子ども達には、「頑張ってね」と言う言葉を使わないように気を付けています。