あなたのおうちでは、教育方針が、家族の中で違うことってありませんか。
たとえば、虫歯になるから子どもにはあまり甘いお菓子は食べさせないようにしているのに、おじいちゃん、おばあちゃんが買ってきては孫可愛さに与えてしまうとか、主人が、ちょっとしたことでも、子どもを大きな声を出してしかる等、自分だったらそうしないことを、家族のほかの人が行動に出すので、心の中でいつも不満に思っている。
と言うようなことです。

皆さんはこんな時どうしてますか。
自分の考えを直接家族に言って、その人に今までの行動を慎んでもらう。
家族にはそんなこといえないから、我慢してしまう。
自分がとった行動で、家族が、今までのように、みんなが「私は幸せだ」と思って、生活できるのなら、それもOKでしょう。

でも、自分が、これじゃだめだと思ったら、まず、直接家族に言うのではなく、子どもと話をし、子どもにこれからどうしたら良いか、決めさせるのも、ひとつの手だと思います。
家族の非難をするのではなく、お母さんの考えを子どもに伝えるのです。

たとえば、「甘いものを食べたら虫歯になりやすいから、お母さんはあなたにあまりお菓子を買ってあげないのよ。」
子どもは食べたいから、じゃあどうしたら虫歯を防いで、お菓子を食べられるか、考えますよね。
「じゃあ、お菓子を食べたらすぐ歯磨きをする」というような言葉が子どもから出てくれば、自分から言い出したことだから、子どもはちゃんと歯磨きをするようになると思います。
もし、歯磨きが三日坊主になったり、また歯磨きをすることを忘れる日が多かった時は、
子どもに、歯磨きをしないと虫歯になるから心配だと言う親の気持ちや、虫歯の治療の痛さを伝えたり、
親子で話し合って、歯磨きを忘れないようにするための工夫を出し合い、どうしたら良いか子どもに決めさせてください。そして、子どもが実行出来るお手伝いをしてあげてください。
例として、
  歯磨きのチェックリストを作る
  夜、お母さんに声をかけてもらう
  もし虫歯になったら、自分で納得して歯医者さんに行く
  (これ以外にも、子どもから、私たちが考えつかないような答えが出てくるかもしれません。)
このような繰り返しにより、自分のことは自分で決めて実行することの喜びを、子ども自身が感じ、身につけてくれるようになると思います。
たとえそれがうまくいかなかったとしても、子ども自身が決めたことであるならば、子どもは必ず、そのことで成長すると信じ、子どもを決して攻めず、見守ってあげてください。

あんなに嫌だと思っていた、おじいちゃん、おばあちゃんの行動により、自分と子どもとの間に、これだけの話し合いをもつことが出来、子どもが成長する様子が見られると思うと、おじいちゃん・おばあちゃんに感謝の心がわくと思いませんか。

また、子どもがお父さんに怒られたとき、そのときの気持ちを能動的に子どもに聞いてみてください。
「お父さんに怒られて、辛かったんだね」「悔しかったんだね」「怖かったんだね」子どもがそう思っているだろうと思う言葉で、子どもに今の気持ちを聞いてみてください。
子どもは、お母さんはいつも自分のことをわかってくれる、自分の味方なんだと子どもが感じたら、たとえ、お父さんにしかられても、子ども自身が解決策をみつけだす事が出来るはずです。

人は誰でも、自分のことを本当にわかってくれる人が一人でもいると感じた時、つらい体験でも、それをバネにして成長する勇気を持つことが出来るからです。
人のせいにするのではなく、何かあった時が、自分の考えを子どもに伝えるチャンスだと思ってください。
親として大切だと思う考えを我が子に伝え、その考えを子どもが受け入れてくれるかどうかを子どもに任せることができるようになった時、子どもは、親の考えを参考にして考え、決定し、実行する力をつけます。

これは、ほんの少しの例にしか過ぎませんが、考え方の違った人たちが一つ屋根の下で生活するのです。
その人のいいところも、悪いところも、その人なんだとすべて許せるようになれば、その家庭は、みんなが「私はとても幸せだ」と思えるような人生が送れるような気がします。